XP-5000DXがやってきた その1

以前紹介した「ヤフオクに大量出品されている怪しい端末」ことXP-5000DXが今日の昼、我が家にやってきた。

まずは軽くレポート。

XP-5000DX

XP-5000DX

XP-5000DX

所謂「キオスク端末」として製造された業務用PC。キオクス端末ってのがイメージしにくい人は、ローソンのロッピーとかファミリーマートのFamiポートとかを連想してくれ。
あーいうある種の業務に特化している業務用端末を、俗にキオスク端末って言うんだ。

で、こいつも元々はレストランの受注システムとかに使われてた端末。

だから基本的な中身はPCなんだけど、その構造には結構特殊な部分も多い。
例えばキーボードを使わないタッチパネルなんかはその典型だわね。

しかし、こいつの場合はもっと特殊な部分がある。
それは電源スイッチ。
通常なら電源スイッチはON/OFFしやすいつくりになっているんだけど、こいつの場合は・・・

電源ボタン その下はリセットスイッチ

電源ボタン その下はリセットスイッチ

こんな小さな、それもペン先で突かないといけない様な作りのスイッチになっている。
実際、筐体にもボールペンで突いたであろう跡が結構くっきり残っている。
おそらくは客席で勝手に電源入り切りされたら困るから、とか、一旦電源入れたら閉店まで落とす必要がないから、とかが理由じゃないかな。

分解してみる

何はともあれ、中身を知る為には分解する。
ジャンクPCを扱う上での第一歩だ。

分解は裏面6箇所のねじを外し、本体上下のはめ込みフックをドライバなどで抉る様にするとモナカ状に前後に分かれる。
左右の蓋のような部分がずいぶんと薄っぺらい。

AC電源のコネクタ部が若干扱いにくい。

で、分解して露出したマザーボードがこれ↓。

腸を曝け出す

腸を曝け出す

IDEが2チャンネル、PCIバスのようなものも見える、なんか普通のマザボのようにも見える。
後で調べたが、これはVIAのデスクトップPC用マザーボード「C3VCM6」という物らしい。

本来はキューブ型PCとかマイクロサイズPCに使うものなのだが、本来あるべきPS/2コネクタやパラレル、シリアルコネクタの部分を最初から取り除いてあり、基盤の部分は半田で穴埋めされている。
半田吸い取り線でこれらの半田を取り除けばコネクタを復活させる事も出来るかもしれないが・・・わしはそこまでやる元気はないなぁ(汗)
Windows系をOSに使うなら基本的なドライバはここで入手できると思うのでメモリンク。

メモリソケットは1つ。ディスクトップ用のPC-3200(DDR400)の256MBのメモリが1本入っているだけだ。
探してみたら以前仕事用で使ってたドスパラのCeleron2.8Ghzマシンが同じ規格のメモリを512+256で搭載してたので、この512MBを取り外し、XP-5000DXに差し替えてみる。

それと、IDEコネクタに刺さっている怪しげなユニット、これがどうも仕様書に書かれている「DOM」らしい。
形式がAMDⅡとあったので調べてみたら、中華系のサイトにたどり着いたが、どうやらごく微小の電源で動くフラッシュメモリーユニットのようだ。
ところがこのユニット、再利用するには一手間かける必要がありそうだ。
というのも、素のまま起動させてみると「Blancco」という画面が表示されて、PCの内部情報とかが表示されるんだけど、これは名前もそのままの「Blancco」というHDD消去ユーティリティを使って内部データを削除し、その際のPCハードウェア情報を取得してこのように表示出来るようにMBRにデータを書き込んでいる、って物なのだ。
つまり、MBRを消去しておかないとこの情報がいつまでも表示されてしまう事になるって訳。
XPの起動ディスク等で回復コンソールを使ってMBRを復旧させるのが今は一般的なのかな。
昔はMS-DOSならコマンドラインから fdisk /mbr でよかったんだけどねぇ。

PC起動

取り合えずこの状態でUSB接続のDVDドライブとUSBキーボード、マウスをつなぎ、起動させてみる。

起動、といってもOSなしの状態ではせいぜいBIOS程度しか確認は出来ない。
そこでDVDドライブにPuppyLinux4.0JのCD-ROMを入れて起動させる。

こー言う時にLiveCDで起動できるLinuxは便利よねぇ。

起動時にXorgでウィンドをXGA(1024*768 16bitで設定したら、画面がなんか左にずれた。

PuppyLinux起動画面 微妙に左にずれている

PuppyLinux起動画面 微妙に左にずれている

マウスカーソルも正常に表示されない所を見ると、どこかしら微調整が必要みたいだ。
Xvesaを使うと画面いっぱいにちゃんと表示できるから実験用はそれでいいみたい。

Xvesaで再調整

Xvesaで再調整

XGAでちゃんと表示が出来た

XGAでちゃんと表示が出来た

LANケーブルをつないでみる。
Puppyのネットワークセットアップで有線LANの状態を確認、認識されてIPも割り当てられた事がわかる。

有線LANでネットワーク接続成功

有線LANでネットワーク接続成功

webブラウザのSeaMonkeyを起動させる。
ネスケを思わせるボタン類が懐かしさを感じさせる。

そのままYouTubeに接続させて「涼宮ハルヒの憂鬱」第10話を視聴。

SeaMonkeyでYouTubeを視聴

SeaMonkeyでYouTubeを視聴

うーむ、音ズレはしないけど、動画の再生の滑らかさはイマイチだな。
この辺は回線速度やFlashPlayerのバージョン、メモリ搭載量やVGAドライバ、チップセットドライバをちゃんと専用の物を当てる事で改善できるかもしれんが、そうなるとやっぱりOSにはWindows系が欲しいな。

ついでに他の動画ファイルも検証してみる。
いずれも動画データをUSBメモリに保存し、直接XP-5000DXで開いてみる。
再生ソフトはPuppy付属の再生ソフト gxine0.509を使用。

[エ○セル○ーガ 第26話.avi]
320x240 24Bit Microsoft MPEG4-V2 23.98fps 40552f 297.57kb/s
MPEG1-LayerIII 24.00kHz 2ch 56.00kb/s
[RIFF(AVI1.0)] 00:28:11.356 (1691.356sec) / 75,408,768Bytes

エ○セルサー○ 26話

エ○セルサー○ 26話

ファイルアイコン ダブルクリックで問題なく再生。
動画としても可もなく不可もなくって感じかしら。

[ウルト○セ○ン#01.MP4]
320x240 24Bit MPEG4 Simple@L1 29.97fps 47431f 768.73kb/s
AAC 48.00kHz 2.0ch(2/0 L+R) LC 128.00kb/s
[Extra][2]
iTunes Video
MetaData
[MPEG4] 00:26:22.614 (1582.614sec) / 178,375,261Bytes

ウ○トラセ○ン 第1話

ウ○トラセ○ン 第1話

ファイルアイコン ダブルクリックでもすぐには起動せず。gxineのウィンドにファイルアイコンをドラッグする事で再生。元々iPod用の動画なんだけど、ウィンドサイズを150%位にしても結構滑らかに再生出来る。

[サム○イチャ○プルー#24.MPG]
720x480 29.97fps 4:3 6000.00kb/s
MPEG1-LayerII 48.00kHz 224.00kb/s CBR Stereo
[MPEG2] 00:29:54.249 (1794.249sec) / 1,013,938,176Bytes

サム○イチャ○プ○ー 24話

サム○イチャ○プ○ー 24話

ちょっと再生が面倒。xgineで別の動画データを再生している状態でこのファイルのアイコンをダブルクリックするとエラーになってしまうんだが、素のxgineのウィンドにファイルをドラッグすると再生が出来たりするんで、この辺は若干操作性に問題があるかしら。
再生した動画はなんかインターレスの描画ズレとでも言うのか、そういうノイズが出てしまい、安定して再生とは言いがたい。
キャプチャーボードでHDDレコーダーの映像を直接mpegにしたものなんだけど、このままでは再生/視聴には不向きだな。
まぁこれもxvesaで「一応まともに」表示させているPuppyLinuxでの事なので、YouTubeの時と同様の方法で改善するかもしれん。

※動画はデータはHDD内にあったものを適当に選んでるので、特に他意はない。

マシンパワーとか考えると2000の方がいいかとか思うんだが。
ストレージ系の問題を解決できればXPの方がいいんだけど、この問題を解決するのはちょっと面倒だ。

というのも、分解すればわかるんだが、このPCの内部にはストレージを増設するような事は基本的には考えられてないようで、内部にストレージ増設用の5Vの電源コネクタがないのだ。

正直これはちょっと予想外。
3.5インチIDEコネクタは基本的に電源供給はしてない。つーか、ここから電源を取る事は普通はやってない。2.5インチHDD用のコネクタなら最初から電源も取れるようになっているんだけど、それはあくまでもそのような作りだから、であって、ここではそのように作られてないんだからこれはしょうがない。

他の改造されている方のwebやブログを見るとマザーボードのATX電源コネクタの辺りから自動車用の分岐接続コネクタを使っているんだそうで、これは確かに目から鱗の落ちる方法ですな。

で、わしはこの方法を使い、ストレージにはIDE>CF変換コネクタを介して4GBのCFをつけてみようと思う。
この4GBのCFは以前折りたたみ机上にパーツを並べて作ったデスクPCで使用してたもの。
そっちにはHDDをつないだので、このアダプタ&CFがあまっているのだ。

4GBの容量があれば、取り合えずはXPはインストール出来る。先ほどのDOMもセカンダリIDEに接続して仮想メモリにでも充てればパフォーマンスはいけるんじゃないかな。

まぁなんにせよ、まだしばらくは遊べそうですよ。

オマケ
もしかしたら使えるかもしれない、グンゼのタッチパネル用ドライバ
(パネリーナでは多くのユーザーがお世話になりましたっけ)

註:あくまでももしかしたら使えるかも、ってだけですよ、現時点では。
ジャンクPC遊びの基本は、”何をするのでも自己責任”ですからね(笑)。

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XP-5000DXがやってきた その1” に対して1件のコメントがあります。

  1. LIB. より:

    なるほど参考になります。
    ウチはまだ色々な環境が揃ってないので(KB、OS等w)、その辺を揃えてからになりますね。

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