Chiba WordPress Meetup 23年11月の会
毎月第4日曜日はChiba WordPress Meetupの定例会、ですが、今回はこちらの都合で土曜日開催にさせていただきました。
今回のお題は「WordPressに翻訳で貢献」です。
23年11月の会
日時:2023年11月25日 13:30~16:30
会場:オフライン 千葉市中央コミュニティセンター6階講習室4 参加者4名
オンライン Zoom 参加者7名
WordPressに貢献する、とは何か?
WordPressはアメリカ人のマット・マレンウェッグが開発したCMSです。
WordPressは誰もが無料で使用できるソフトウェアです。これは開発者のマットが「誰もが自由に出版(publishing)を行える環境を作る」事を主眼に開発し、そしてその手段としてオープンソースウェアというライセンスを選択したからです。
オープンソースの精神、と言うと難しく聞こえるかもしれませんが、要はみんなでいいものを一緒に作りましょう、そのためには自由であることを守りましょう、っていう風に考えればいいかと思います。
この「みんなでいいものを作る」と言う事からWordPressには多くのボランティアが様々な形で関わっています。WordPressのコアなシステムの開発に関わる人、利用者の疑問/質問に答える人、勉強会などを主催して交流促進に努める人、等々、実に多種多様です。
このような人たちをWordPressの界隈では「コントリビューター(貢献者)」と呼んでいます。
WordPressに貢献するというのは自分も1人のコントリビューターとして参加する、それが延いてはWordPressが無料で自由に使っていける環境を継続していく力になる、とも言えるのです。
自分が無料で使える自由を享受するなら他者の無料で自由に使える権利もまた守って然り、と言うところでしょうか
23年11月の会の開催に至る経緯
Chiba WordPress Meetupは毎月第4日曜日の13:30~16:30にオンライン/オフライン同時に開催しています。今回は自分の都合で土曜日開催にさせていただきました。
WordPress Meetupとは「2人以上が集まり、WordPressの体験を共有する」イベントとなっているのでそこで何をやるかは基本的に制限はありません。
で、今回は『WordPressにコントリビュートその4 翻訳で貢献しよう2』というタイトルで開催しました。WordPressにコントリビュート、は自分的に今年のChiba WordPress Meetupのグループテーマにしており、これまでも数回開催しています。今回は翻訳で貢献のPart2と言う事です。
で、翻訳で貢献、をする際にご一緒をお願いしているのが三宅伊都子さんです。
彼女とはWordCamp Japan2021で知り合いになり、自分よりも年長者ながら主に翻訳関係でWordPress界隈にて多大な貢献をされている方、と言う事もあり翻訳で貢献、と言うテーマで会を開くならぜひ協力していただきたいと思ってオファーをしたところ快諾をいただき、23年1月の会でまずはWordPressの翻訳文化について、翻訳の実際の仕方/ルールについて教えていただきました。
三宅さんとは23年8月頃にPart2の打診をし、既に決まっている会の予定を考慮し11月に登壇していただく事で折り合いをつけ今回の会になったという次第です。
WordPress関連のドキュメントの翻訳、とは?
WordPressは基本的にアメリカ発祥のソフトウェアであり、多くの開発者がやはり英語圏の方々です。よって使用されている言語も英語を基本としています。しかし一方で日本人である我らは中高6年英語の授業を受けているにもかかわらず十分な読み書きが出来ないでいます。
そこで必要になるのが翻訳と言う作業です。
WordPressの公式サイトWordPress.orgには非常に多くの英文ドキュメントが置かれておりますが、やはりそのままでは日本人ユーザーが十分には扱えません。これを解決するために多くの貢献者が日々これらのドキュメントを翻訳しているのです。
では具体的にどういうことをやってるのか、と言うとまず翻訳者は翻訳に関わるルールを学びます。
これはWordPress.orgの中に「翻訳スタイルガイド」と言うページがあり、そこに詳しくまとめられています。WordPress関連のドキュメントはどうしても技術系の文書が多く、その中には変数等直訳では翻訳しきれない文言も多数あります。更に疑問符、感嘆符、句読点などは半角文字で表示される原文を意識せずに和訳した際に全角文字の記号になってしまう事もあり、そうなると翻訳者によってその扱いがバラバラになってしまいます。
こうした点の解決指針がスタイルガイドには細かく指示指定されているのでこれを注意しましょうという事になります。
今回は「Relevanssi – A Better Search」と言うプラグインの解説ドキュメントを参加者で翻訳しました。
実際の翻訳画面を見てみます。
これはその翻訳作業の画面を表示しています。この様に左側に原文を適当な量の文書で切り出したものが表示され、右側のtranslationの枠内に翻訳完了した文が表示されていきます。右端の「Detalis」をクリックすると下図のように実際の作業ウィンドが開きます。
青枠で囲まれている部分が翻訳した文書を入力する欄です。入力が終わると「Suggest」ボタンをクリックし翻訳の監督者(このプラグインの場合は三宅さんがその権限を持っています)がチェックし、問題なければ公開、となります。
この日は未翻訳数が開始時点で29あったものを10まで進める事が出来、翻訳率も96%まで上げる事が出来ました。もうあと4%残ってしまったのは残念ですが、多くの参加者が翻訳に貢献できたのはよいこと、かと思います。
当日の三宅さんが使用したスライドはこちらにリンクを貼りますので興味のある方はご参照ください。