タブレットをプレゼンのリモコンにする話

1月20日のブログ記事でWordPressもくもく勉強会@日本橋#39に参加した話を投稿しましたが、この席上で私はフォトディレクトリについてのLTをやらせてもらいました。
その際にプレゼン用のスライドを操作するのにiPadを使って行ったところ、当日参加されてた今村哲也さん(WordPressテーマ Nishiki Pro作者)からどうやっての?って質問をされました。
そこで簡単にそのやり方を説明しておこうと思います。

前段:実はプレゼンの資料投影は事前準備が難しい

いつもの通りまずは前段。
実のところ私も数少ないながら他者の前に立ってLTやプレゼンをすることがあります。私の場合は地声が大きい事もあり50人位が入れる程度の会議室くらいならマイクなしでも端から端まで声が届きます。そういう場合強いのが演壇の端から端まで歩いて身振り手振りを加えてプレゼンが出来る事です。

ところがIT系のこうしたプレゼンにおいてこうした演壇の上を自由に行き来するやり方は資料投影の機材と相性が悪い事が多いです。まず何といってもPCからプロジェクタや大型モニタへの接続にはHDMI接続を使用するのが昨今では一般的です。有線で接続ですから安定性はばっちり、のはずですが実は接続してみないとうまく映像を写せないなんてことは間々あります。ですから直前にスライドがちゃんと出力出来るかテストしないといけない事も多いです。ちゃんと映像出力が出来たとしてもHDMIケーブルの長さの問題やPCの重量の問題等から演台の上にテーブルを用意しそこからスライド操作をしないといけないので登壇者はここに釘付けになってしまいます。

最近はこうした問題を解決する方法としてHDMIを無線化するアダプタがあります。プロジェクタ側のHDMI入力にレシーバー、PC側のHDMI出力にトランスミッターを接続する事で無線化出来るのでPCの置き方はある程度自由出来ます。とは言えノートパソコンを広げた状態で10分15分持ち歩くのは聊か邪魔くさいですね。またHDMIのトランスミッターも結構かさばるものが多く、やはり演台の上を歩き回る様な使い方には向いていません。
ステーブ・ジョブズをはじめアメリカの大手IT企業の重役達は自由に歩き回り身振り手振りを加えてプレゼンをしていますが、私たち日本の一般人はそういう真似は中々簡単には出来ない…と思っていました。

タブレット端末がその無理難題を解決した

この難題を解決する一つの方策がタブレット端末の利用です。ここで言うタブレット端末はiPadやAndroidタブレットを指します。Windowsタブレットでも出来なくはないですがあまり操作性はよくないですね。

では私が今回使った機材と方法をご紹介します。

1)iPad
昨今汎用性のあるタブレットと言えば真っ先に出てくるのはiPadですね。
Androidタブレットは中国メーカーのものが圧倒的に多く中々これはと言う様な決定打になる端末がなかったのですが、GoogleがPixelタブレットを販売する様になって何とかiPadの対抗機種が出てきたかな、と言う感じでしょうか。
因みに私が使っているiPadは第6世代のものなので今となってはだいぶ古いものですが、現状の最新OSであるiPadOS17が使えるのでとりあえずはいいかと言う感じです。

2)ChromeCast with GoogleTV
第3世代型のChromeCastでそれまでのスマホありきで使用するものから付属リモコンを使って単独でネット動画をテレビに映し出すことが出来る機器になったものです。リモコン上にYoutubeとNetFlixのボタンがあるのでこれらの動画を楽しむのには便利です。
因みにChromeCastは現在FHD対応のものと4K対応のものがありますがミラーリングで使うなら安価なFHDのもので十分です。

3)Googleスライド
iPad側にはGoogleスライドをインストールしています。
個人的には一人でプレゼン用のスライドを操作するのにはGoogleスライドの方がPowerPointより楽だと思っています。そもPowerPointはスライドショーをする際には複数の映像出力がある事が前提の挙動を示し、Zoom等で画面共有する際にどの画面がどう共有されているかが分かりにくい/戸惑う/間違える人が間々います。
Googleスライドはそういう心配がないし、基本ブラウザ画面だけで使用するのでスライドを表示してるブラウザのタブを共有すればいいという分かりやすさもあり、更に後々にスライドを他者と共有するのにも共有設定をしてURLを公開するだけで共有出来るのでその点もPowerPointより簡便化と思っています。

実際の手順はこんな感じ

1)ChromeCastを映像入力機器に接続します。


2)ChromeCastをWi-Fi接続設定します。
この時注意なのがChromeCastとiPadで同じWi-Fiの接続先を選ぶようにします。会場によっては複数のWi-Fi接続先が表示される場合がありますが、複数あるという事は同じネットワーク上のWi-Fi接続先ではない事もあります。異なるネットワークに接続すればこの後に行うキャストも出来ません。なので接続先選びは十分に注意します。

3)iPadでGoogleスライドを起動させます。


4)スライド表示をさせるデータを選んだら上段のスライドショー開始ボタン(上段の三角形マーク)をタップします。
するとスライド表示をする先を選択するウィンドが表示されるので、ChromeCastのボタンの右わきにある「デバイスを検索」を続けてタップします。

複数台のChromeCastがあればその数だけ表示される。
因みに図の「AFTT-12[Cast]」はFireTVにインストールしているAirReceiverのもの。

5)ネットワーク上で使用できるChromeCastが検出されるので使用するものを選びます。


6)接続が確立するとiPad画面に今現在表示するスライド、これから表示する次のスライド、スピーカーノートが表示されます( 下図参照)
キャスト対象のモニタ/スクリーンへの投影は接続確立から処理まで30秒くらい時間がかかるので少し待ちます。

iPadを縦に持つと読みやすい


7)モニタ/スクリーンへの接続/キャストが完了したらプレゼンをはじめます。

後はプレゼンの進行に応じて次のスライドをタップしていけば、表示のスライドも先に進みます。ノートに目を通しながらプレゼンをすればいい淀みも少なく進めますね。

Androidタブ/PowerPoint/FireTVは使えるのか?

結論から言えばAndroidタブでも上記と同じことは出来ます。まぁChromeCastもGoogleスライドも同じGoogleの製品ですからこの組み合わせで動作しないはずはありませんね。

一方iPad上でPowerPointを起動しての場合はスライドショー開始ボタンをタップしてもChromeCastの選択は出てきません。PowerPointでは先にコントロールセンターから「画面のミラーリング」の操作をし、そのうえでスライドショーを開始すると同じような事が出来ます。

ChromeCast以外のデバイスという事だと手持ちのものではAmazonのFireTV ステックがありますが、これの場合はミラーリングを補助するアプリ(私の場合はAirReceiverというアプリを入れてます)をインストールし、設定画面で「AirPlay」「GoogleCast」として振る舞う機能を有効化させて使っています。
因みにFireTVは特にアプリのインストールをしない状態でもミラーリングするための機能を有していますが、これは「ミラキャスト」と言う方法で今一つ汎用性に欠けるものと思えます。対応出来る機種ならいいのですがそうでない機種の対応化が面倒なので私はこの機能は使っていません。
AirReceiverはPC/iPhone/Androidのどのデバイスからでもミラーリング出来る機能をFireTVに付与するので、実は自分が講師を勤めている九十九里町のパソコン教室ではとても重宝しています。

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